うちの子は発達グレー?親の対応と相談支援先を紹介

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うちの子、なんとなく周りの子とは違う様子‥‥‥

周りの子は簡単に出来るのに、うちの子は少し不器用‥‥‥

集団行動が苦手‥‥‥

この記事では、いわゆる「発達障害グレーゾーン(境界線)の子ども」について書いています。

私自身、発達グレー子ども(5歳)を育てる母です。

今までの経験から、

発達グレー児を育てる上で一番大切なことは、親が発達グレーを正しく理解し受け止めることだと感じてきました。

『この記事のPOINT』

  • 診断名があってもなくても子どもの困り感は変わらない
  • 発達の凸凹は誰もが持っている特性
  • 発達障害は”治る”のではなく”発達する”

まずは子どもの現状を正しく理解し、受け入れ、その先の支援へと繋げていけるといいですね。

発達障害とは?

発達グレーを理解するために、まず発達障害について知っておきましょう。

発達障害とは、脳の一部に機能不全があるために心身の発達に遅れが生じている状態のことをいいます。

  • 対人関係に関係する領域に問題があると、自閉症やアスペルガー症候群
  • 行動面の領域では、注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • 学習面では学習障害(LD)
  • 運動面では発達性協調運動障害

などと診断されるケースが多いです。

一方、これら症状は重なって現れることが多くそこにはっきりと境界線を引くことが難しいことに鑑みて、

これらの障害をまとめて「自閉症スペクトラム(連続体)」(ASD)

と表現することもあります。

発達障害=知的障害ではない

機能不全と書くと脳全体の損傷のように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。

うまく働かない箇所もあるけれど、普通に働く部分もあるし、人より秀でた働きをする部分だってあります。

つまり、発達の凸凹が大きいということ。

発達障害=知的障害、のようなイメージを持っている人が多いかもしれませんが、知的に遅れはない場合も多いです。

学習障害なんかは特にそうですね。知的に問題がないのに、読み書きに関してはうまくいかない。

アスペルガー症候群も知的に遅れはありません。むしろ興味のあることに対する探求力が抜きん出ている場合も多く、その分野で成功を治める人もいます。

このように、知的障害の有無にかかわらず、脳の働きの偏りが大きいために日常生活に支障が出ている場合、障害と判断されることが多いでしょう。

発達グレーとは

発達グレーとは、かなりざっくりいえば ”集団のなかでちょっとorかなり気になる子” のこと。

脳の一部に機能しづらい部分があるため、その場その場での環境に適応した行動や態度・考え方をすることが難しい子どもたちのことです。

https://hugkum.sho.jp/6466

図のように、エリアわけが出来ます。

  • エリア1 ちょっと集中力がなかったり落ち着きがないけれど集団生活に支障をきたすほどではない子ども
  • エリア2 集団生活の中でちょっとorかなり気になる子ども
  • エリア3 集団生活の中では相当気になる行動・態度をとり、軽度発達障害の診断名がつくこともある子ども

エリア1だと、個性の範囲内と捉えられ、特別な支援まで必要とすることはありません

エリア2〜3になると、”気になる子”として親や先生が気づくことがほとんどでしょう。

診断名がつく場合と何が違う?

障害の診断がつくためにはその症状の要件を満たす必要がありますが、グレーの子どもはそれら全てには当てはまるわけではありません。

当てはまっても、経度発達障害にとどまります。

それでも、発達の凸凹があることによって本人の日常生活に支障が出ていることは、診断名を持つ子どもと変わりはありません。

やりたくても出来ない、うまくいかない、どうしたらいいのかわからない。本人が一番辛い思いを抱えているかもしれません。

診断名の有無にかかわらず、周りの理解と適切な支援が必要です。

発達障害=発達特性

周りの理解といっても、まず親自身が子どもの発達の遅れを受け入れることは難しいですよね。

どうしてこんなことができないんだ、どうしてうちの子だけ。そんな思いが頭の中で渦巻いていることでしょう。

でも、そもそも、発達の凸凹は誰もが持っているものなんです。

以下の本では、「発達の特性」という言葉でわかりやすく説明してくれています。

人にはそれぞれもののとらえ方や感じ方があり、得意なこと、苦手なこともそれぞれ違います。じっとしているのが苦手だったり、これだけは譲れない、これをしないと気が済まないというこだわりがあったり、忘れっぽかったり‥‥‥。本書で用いる「発達の特性」はまさにこれです。障害のあるなしにかかわらず、みんなにあるものであり、その人のありのままの状況です。そしてこのありのままの状況・特性は、長所にも短所にもなり、それがとても強く現れて生活上の困難につながる場合、発達障害という名前が付くことがあるのです。

田中哲・藤原里美(2015年)『発達障害のある子を理解して育てる本』(P29)

発達の特性はみんな持っているもの、という考え方に共感しました。

私自身、悲観的で慎重に物事を考えすぎてしまう性格であり、なんとか社会生活は送れているものの、生きづらさを抱えてきました。

こうした性格も、発達の凸凹と捉えることができるんだ。

息子も、皆が持っている発達の凸凹が少し強いだけなんだ。

こう考えられると、「発達グレー」という特別なレッテルを貼ることなく、自分と同じステージの上に立って子どもを理解できるような気がしませんか?

発達障害/グレーは治るの?

同じステージにたてば、凸凹を治すということがどれだけ大変なことかがよくわかります。

性格を変えようと思っても、そう簡単にはいきまんよね。多くの人が実感を持って納得できるでしょう。

「発達障害を治す」というと、何か特別な治療をして発達の凸凹がなくなるという未来を思い描くかもしれませんが、そうではありません。

発達障害は「治る」のではなく「発達する」。(田中哲・藤原里美(2015年)『発達障害のある子を理解して育てる本』P35)

長いスパンの中で、凹のへこみを少しずつ上げていくことが、発達するということ。一朝一夕には行きませんが、

日常生活(学校生活や療育の活動)の中で様々な経験をして、少しずつ凸凹の差を埋めていくことが大切なんです。

環境に適応できれば障害ではない

また、凹みをあげることと同様に大切なことは、周りが求めるレベルを上げすぎないこと。

親はどうしても、早く凹みを底上げして、一般社会生活が送れると思う最低限のレベルにまで到達させたいと焦ってしまうものです。

でもそのレベル、とっても主観的だと思いませんか?私たちが暮らす環境や常識や考え方によって、そのレベルは上がったり、下がったりするのです。

障害というものは、環境に適応できない場合にだけ障害となり得ます。

本人に凸凹があったとしても、その環境を調整して(レベルを下げて)、凹みがなくなる・もしくは小さいものである(=社会に適応できている)ならば、それは障害とはいえません。

まずは子どもが「少し頑張ればできる、みんなと一緒に行動できる」位のレベルに設定をして、できたという思いを経験させてあげましょう。

適応できた経験が蓄積されれば、少しずつ、凹みそのものが上がっていく。

下から上がり、上から下げて、お互い妥協レベルをみつける。それを一緒に押し上げて行けたら最高ですね。

公的支援は受けられるの?

発達障害の診断名が出ていなくても、療育(児童発達センターや放課後デイサービス)は利用できます。

市から受給者証を発行してもらう必要があるので、まずは自治体に相談しましょう。

検診時に相談できるのが一番ですが、それ以外でも、地域の子育て支援センター(児童館や保育園など)や、子育て世代包括支援センター(妊産婦から産後育児の相談・支援まで包括的に行うセンター)での相談サービスなどを活用するといいですね。

療育センターに直接連絡して話を聞くのもあり。

相談機関や、公的支援につなげる方法は地域によって様々。自分で探して積極的に活用してみることをお勧めします。

もし療育までは考えていないという場合、もしくは家庭で様子見でと言われた場合、

保育園や幼稚園に通っているなら、先生と相談し対応を考えていきましょう。

もちろん、家庭の中でもできることはたくさんあります。

療育と聞くと身構えてしまうと思いますが、少しの工夫でおうちでも楽しく取り組めることもあります。

体を動かしながらできることも。

療育、園、家庭、それらを自分なりに組み合わせ、子どもと一緒にできたの経験を積み重ねて行きたいですね。

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