発達グレーでも療育は必要?親・子どもそれぞれの目線から必要性を解説

子育て

子どもが発達グレーゾーン、療育は受けられるの?

子どもの将来を考えたら、療育は受けさせるべき?

子どもの将来を思うと、今から何かしておきたい‥‥‥

そう思う気持ち、とてもよくわかります。



私も発達グレーの5歳児を育てる母親です。

うちの子は、言葉の発達(理解も含む)がゆっくりで、体との協調動作がぎこちないところがあります。

社会性の面でも、集団行動が少し苦手な男の子です。


そんな息子は5歳6ヶ月頃から、約1年後の就学を見据えて療育に通っています。

もちろん最初は不安でした。

しかし数ヶ月がたった今は、療育は子どものためになるのはもちろん、親のためにも必要だと思っています。

この記事のPOINT

  • 療育に通う事は親子共にメリットあり
  • 受給者証があれば就学前児童の療育は無料
  • 親子で前向きに通える施設を見つけよう

療育のメリット

なぜ療育に前向きになれたのか、親目線と子ども目線に分けて説明しますね。

【親目線】

①子どもに対してたくさんの気付きを得られる

施設にもよりますが、親は療育中の様子を観察できます。

うちが通っている療育の1つでは、机に向かい合って座り先生と1対1で課題に取り組む子どもの様子を、親は少し離れたところから見学。

観察のPOINT

  • 子どもの困った行動や態度に先生がどう対応しているのか
  • 今の子どもの力にあった教材はどんなものか


これらをよく観察できれば、先生からの気付きを得るだけではなく、家庭での遊びに取り入れることができるんです。

療育に行って終わりではなく、この経験をどう日常生活に活かせるのか。

ただ子どもの様子を見ているだけではなく、この視点を持って観察することが大切だと思います。

②悩みを相談できる人が増える

子どもの発達の悩みは、誰にでも気軽に相談できるものではありませんよね。

特にもうすぐ就学となれば、普通級か支援級か放デイはどうするのか等、悩みは尽きません。

その点療育では、継続的に子どもの様子を見てくれるので、親はいつでも悩みを相談できる人がいるという安心感を得られます。

普段通っている園の先生も相談に乗ってくれますが、

より多くの発達支援を必要とする子ども達を見てきた先生達の意見も、とても参考になります。

③子どもへの関わり方が変わる

子どもが課題に一生懸命取り組んでいるところをみると、どんな親でも嬉しくなります。

家ではなかなかやらないことでも、先生とならできることも。

できるところを伸ばしながら、苦手なことにも自分のペースで取り組んでいる。

そんな我が子の成長を感じられる機会があるのは、とても貴重なことだと思います。

家ではどうしても、子どもの気になるところばかりに目がいきがち。

でも療育で一生懸命取り組んでいる姿を見ると、本当に頑張ったねと抱きしめたくなるんです。

【子ども目線】

①様々な経験を通して、自信をつけることができる

一口に療育といっても、その形態は様々。

1対1の個別療育、集団療育、運動療育、音楽療育‥‥‥

その子にあった療育を選べれば、その子のペースで成長できるでしょう。

うちの子は、1対1の療育(ワーク中心)と、少人数の運動療育に通っています。

療育に2箇所通うことについては別の記事で詳しく書きますが、

2箇所で異なる経験ができ、そのどちらもが相互に作用しながら発達を促せると思っています。

その結果できることが増えれば、その子の自信に繋がりますよね。

②就学前に身につけたい力を養うことができる

就学前に身に付けたい力は2つに分けられます。

①生活習慣

  • 早寝早起きができる
  • 1人で着替えができる
  • 1人でトイレに行ける
  • お箸が使える
  • 交通ルールを理解し守れる

②学習習慣

  • 数字の概念がわかる(合わせる・引く・分ける)
  • 時計が読める(一日の中で見通しを持つ)
  • カレンダーを見て見通しが持てる(週・月の中で見通しを持つ)
  • 平仮名が読める
  • 正しい書き順で自分の名前が書ける

うちの子は就学まであと約1年のタイミングで療育を始めたので、主に学習面でのサポートをしてもらっています。

1対1で対応してくれるところでは、こういった個別のニーズも汲み取ってもらえますよ。

もちろん任せっきりではなく、数字や文字に興味をもってくれるよう家でも工夫を継続中です。

療育のデメリット

私自身、療育にはメリットが多いと感じていますが、もちろんデメリットとなり得る場合もあります。

【親目線】

親自身が療育に前向きでないと、逆効果になる可能性がある

大前提として、親自身も療育に対して前向きでなければいけません。

誰かに言われたから嫌々通っているような場合、通わせること自体がストレスになって子どもに悪影響を与えます。

正直私も、学習面について支援を受けるべきか迷っていました。

人より物事の理解がゆっくりな息子には、まだ早いのではないか‥‥‥

今は好きなことをやらせるのが1番なのに、押しつけにならないか‥‥‥

しかし主人と話し合ううちに、気づいたんです。


理解が遅いから理解できるレベルに達してから学べばいい、ではなく

その理解でもわかるレベルから始めて、徐々に分かってくれたらいい。


健常児であれば、そのうちわかるようになるさ、と放っておいてもいいかもしれません。

でもそれは、ちょっと助けが必要な子には通用しない考え方。

押しつけも良くないけれど、どうせ無理だと諦めるのも違うのではないか、そう思うようになりました。

療育から数ヶ月経った今、本人はとても楽しそうに通っています。行かせて良かった。

療育は親自身の学びの場として、自分も参加する気持ちで通うのが1番。

納得するまで考え、受けると決めたら徹底的に活用するつもりでいきましょう。

【子ども目線】

先生との相性が合わないなど、子供にとって負担がかかる場合もある

親が良かれと選んだとしても、子どもにも相性の良し悪しがありますよね。

子どもがどうしても行きたがらない場合などは、無理に行かせても得るものは少ないです。

療育施設は様々あります。1つが合わなくても悲観的にならないで。

自分の気持ちと子どもの様子をよくみて、前向きに取り組める場所を見つけましょう。

療育を受けるには通所受給者証が必要

療育を受けるために、障害の診断は必須ではありません。

自治体から通所受給者証(障害児が療育施設に通所するために必要な証明書)をもらってください。

自治体の検診で療育を勧められたならすぐに発行手続きが進むでしょう。

しかし発達グレーの場合、そうもいかない場合があります。

検診ではギリギリ引っかからず、発達支援センター等に相談に言っても様子見と言われて終わることも少なくないのです。


そんな状況にモヤモヤしているなら、まず療育の見学にいくことをおすすめします。色々な話も聞けますよ。

そして様子見なんだからと諦めず、障害者支援の担当者に療育に通わせたいという意志を伝えましょう。

障害者支援の窓口はそれぞれの自治体で異なる場合もあります。

まずは地域の発達障害者支援センターと繋がることが大切です。

就学前児童の療育は無料

受給者証があれば、就学前児童の療育は無料(民間療育は除く)。

児童発達支援は国の幼児教育・保育の無償化の対象なんです。


詳しく説明すると、療育(通所型)は対象年齢によって名称が異なります。

名称対象費用
児童発達支援未就学児童の療育(保育園・幼稚園児)無料
放課後等デイサービス就学児童の療育(小学校〜18歳)自己負担あり

無料で受けられるのは児童発達支援の部分ですね。


ちなみに、放課後デイサービスの自己負担は1割(1回の療育で1,000円前後)ですが、

世帯収入に応じて負担上限金額が設定されています。

①生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯無料
②収入が概ね890万円以下の世帯4,600円
③それ以上の収入がある世帯37,200円

①の場合、自治体が個別に認定した支給量(月の利用回数)内であれば、何度通っても4,600円です。

②の場合、一回の療育にかかる飛用が約1,000円なので、月5回程度の利用であれば①とほぼ同じ負担額になります。

無償化の対象は幼稚園・保育園の保育料だけでなく、児童発達支援の自己負担分も含むとは。

私も見学に行くまで知りませんでした。

ありがたいですね。

療育=正常に近づける、ではない

最後に、療育に通う上で1番大切なことをお伝えします。

療育=健常児に近づける ではないということ。



発達障害は治るのではなく、発達するという言葉があります。

健常児に近づけて普通の社会生活が送れるようにすることを目的にすると、

療育自体が辛くなってしまう時が来るかもしれません。

療育では、一人一人がそれぞれのペース・方法で社会生活との関わり方を学ぶんだということを忘れないで下さい。

周りがレベルを上げすぎず、それぞれのペースで、社会との関わり方を見つけていけるといいですね。

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